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ブリーディング・その15=遺伝性疾患:進行性網膜萎縮症(PRA)

進行性網膜萎縮症(PRA)は、網膜にある光を受容する部分に異常が生じ、網膜が徐々に萎縮して、最終的に多くの犬が失明してしまう遺伝性の病気です

PRAは、品種改良を重ねるうちに作り上げてしまった遺伝性疾患のため、原種を守っている歴史ある犬種にはあまりないのですが、発症の危険性は抱える犬種は、わかっているだけで80種を数え、その中でもトイプードルは重度の部類に入ります

初期症状としては、夜盲症(暗くなると眼が見えない)から始まり  、徐々に進行していくと最終的には明るいところや昼間でも目が見えなくなります

活動性が低下し、動作が緩慢だなと感じたり、常に壁際を歩いたり、階段の上り下りがぎこちなくなったりと感じたら、すぐに獣医の診察を受けるようにしてください

見知らぬ場所での行動は顕著になって現れるので、比較的わかりやすいのですが、視力の低下は、徐々に進行するため、見えにくい事に対して犬が順応し、飼い主がなかなか気づかないこともよくありますので、日頃に観察を怠らないでください
また、トイプードルのPRAの多くは進行性杆体錐体変性と言って  夜盲症から初まり進行すると白内障になるトイプードルにとっては、とてもやっかいな病気のひとつです

残念ながら、現在の医療では確かな治療法はありません

万が一発症してしまった場合は、不安やストレスの少ない日常生活が送れるよう、飼い主が生活面で気をつけてあげてください

例えば、ぶつからないような家具の配置を考えたり、トイレやフードボウル(水を含む)などの日常生活に必要な物は、その位置を固定化するなどです
散歩コースを人混みや主要道路ではなく静かな場所を探して、あまりコースを変えないようにしてください

治療法もないですが、予防法もありません

常染色体劣性遺伝なので、PRAを発症させる遺伝の有無をDNA検査して、問題のある犬は繁殖には使わないようにして、次世代以降へ引き継がせないようにすることが唯一の予防法と考えます

DNA検査結果等の詳細は、遺伝性疾患の話の最後に「遺伝子検査と疾患の現れ方」でお話しさせていただきますので、しばらくお待ちください

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ブリーディング・その14=トイプードルの遺伝性疾患

トイプードルに限らず、全ての犬種において遺伝性疾患の発症の危険性をはらんでいると言っても過言ではありません

ブリード(繁殖)する際には、遺伝性疾患の因子を持つものは使うべきではありません

そして、両親だけにとどまらず、可能な限りの世代までさかのぼって調査する事をお薦めします

以下に、知り得る限りのプードル(4バラエティ)の遺伝性疾患を列挙しましたので、参考にしていただければ幸いです

軟骨無形成症
アジソン病
ブロート(胃捻転)
白内障
脳脊髄脱髄症
カラーミュータント脱毛症
難聴
アトピー性皮膚炎(全般的なアレルギー症状)
まつげ重生
外胚葉異形成
異所性尿管
眼瞼内反症
てんかん
流涙症(涙の分泌亢進)・涙腺管閉鎖症
端軟骨形成不全
第12因子(ヘイグマン因子)欠乏症
緑内障
球様細胞白質ジストロフィー(クラッベ病)
SA皮脂腺炎
夜盲症・進行性網膜萎縮症
溶血性貧血
血友病A(第8因子欠乏症)
肝門脈体循環シャントまたは動静脈ろうこう
股関節形成不全
副腎皮質機能亢進症
チェリーアイ
低ソマトトロピン症
甲状腺機能低下症
椎間板疾患
虹彩萎縮症
水晶体脱臼
ライソゾーム蓄積病
小眼球症
重症筋無力症
視神経低形成
離断性骨端炎
骨軟骨症
骨形成不全
外耳炎(耳の構造上の易感染性)
パンヌス
膝蓋骨脱臼(パテラ)
動脈管開存症
瞳孔膜遺残
網膜はく離
皮脂腺炎
脂漏腺腫瘍
扁平上皮がん
血小板減少症
心室中隔欠損
フォンウィルブランド病
レッグ・ペルテス病(レッグ・パーセス病)

次回から、上記遺伝性疾患の中から、特にトイプードルの発症例が多い病気のみを抜粋して、詳しくお話をしていきます

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ブリーディング・その13=性染色体

今日は、性別を決定する染色体である性染色体について説明させていただきます

犬の染色体は78本、39対から成り立っています

ちなみに人間の染色体は46本、23対です

38対は常染色体と呼ばれ、残りの1対が性染色体(78XXと78XY)です

牡の性染色体はXY、牝の性染色体はXXで、父母から受け取った各1本の組合せによって誕生してくる子の性別が決定します

父親からX染色体を受けた場合は、X+Xで女の子となり、 父親からY染色体を受けた場合にX+Yで男の子になります

性別は、受精の瞬間に決定します

X染色体はY染色体より遺伝情報が多く、ほとんどの遺伝情報はX染色体上にあると言われています

男の子の場合、Y染色体は父親から、X染色体は必ず母親から受け継ぐことになります

女の子の場合は、両親からX染色体をひとつづつ受け取ることになります

ということは、父親から受け取ったX染色体は、父親の母親から受け継いだものになります

前述したとおり、X染色体は、性別決定以外にも多数の遺伝情報を持っているので、X染色体に連鎖する血友病や色盲などの疾病が、母親を通じて男の子の子孫に伝播されます

簡単にまとめると、母親となる女の子の父系ラインは、父の母の血統から大きな影響を受け、さらにその母系を遡って調べることが、ブリーディング(繁殖)にはとても重要になる事を覚えておいてください

かなり、とりとめのない話になりましたが、機会がありましたら実際の血統書を例に取りながら、もう少し深く話をする機会を設けようと思ってます

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ブリーディング・その12=メンデルの法則のまとめ

今回はメンデルの法則を簡単かつ簡潔にまとめてみます

通常の生物は2個で一組(一対)の遺伝子を持っています。

子は両親から1個ずつの遺伝子を受け継ぎ、一対とします

両親から受け継いだ遺伝子が異なる場合、どちらか一方の遺伝子に含まれた情報の形質が現れ、もう片方の形質は現れません

この現れてきた方の情報を持った遺伝子型を優性といい、現れてこなかった方の遺伝子型を劣性といいます

小型犬に最も多いとされる遺伝性疾患の一つである「膝蓋骨脱臼(通称:パテラ)」の遺伝子を、不幸にも両親からもらった1組の遺伝子のうち片方に含まれていた場合、これが劣性遺伝子だったら発病はしません

これが、両方とも病気の遺伝子だった場合は、発病するリスクがかなり高くなります

1組の遺伝子が同じだった場合を「ホモ」といい、異なる場合を「ヘテロ」と呼んでいます

前述した3回の「メンデルの法則」の例題としてあげた遺伝子型で、
RR=R遺伝子を優性ホモで持つ
rr=R遺伝子を劣勢ホモで持つ
Rr=R遺伝子をヘトロで持つ
と、表現されます

近親交配のリスクが高いのは、通常より同じ形質の遺伝子を多く持っているため、悪い劣性遺伝子がホモ化する組み合わせが格段に増えることが原因と考えられています

よって、近親繁殖ならどのようなかたちの近親交配でもよいかというとそうではありません

あくまでも優良形態を持つ優秀な個体(台)でなくては意味はありません。

ライン(系統)に、アウトブリードを取り入れ、遺伝子の活性化を行うことによって、ラインに健康な遺伝子を持つ犬を誕生させることが、近親繁殖の成功にはかかせないことかもしれません

 

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ブリーディング・その11=メンデルの遺伝法則・第三法則

前回からの続きです

今日は最後の第三の法則である独立の法則のお話をさせていただきます

今までの話をさせていただきました「優劣の法則」「分離の法則」の例題以外に、たとえあば毛質の変わる遺伝子があると仮定します

遺伝子型のRやr以外に遺伝型Hとhがあり、HH/Hh/hHが固い毛質で、hhが柔らかい毛質とします

この様に違う遺伝型がそれぞれ独立して子孫に遺伝することを「独立の法則」と呼んでいます

この繁殖をおこなった場合、誕生する子供は、次の4つが考えられます

1. 毛色がレッドで固い毛質の子(RRHH, RrHH, rRHH, RrHh, rRHh, RrhH, rRhHなど)

2. 毛色がレッドで柔らかい毛質の子(AAhh, Rrhh, rRhhb)

3. 毛色がアプリコットで固い毛質の子 (rrHh, rrhH, rrHH)

4. 毛色がアプリコットで柔らかい毛質の子(rrhh)

過去3回にわたって「遺伝」の話をさせていただきましたが、あくまでもわかりやすく「メンデルの法則」のみに焦点をあてたは説明です

実際の遺伝学には、数多くの専門的な法則が有ります

最近では、全ての生物がメンデルの遺伝法則に従っている訳ではないことが判明してます

また、実際の繁殖でもこれほど単純でありませんが、あくまでも参考知識としてとどめていただければと考えています

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ブリーディング・その10=メンデルの遺伝法則・第二法則

前回からの続きです

今日は、第二の法則である分離の法則のお話をさせていただきます

前回、誕生した「Rr」型の遺伝子をもつトイプードルの子供を例に話を進めます

この子供達の牡と牝は「R」と「r」の遺伝子をもった精子と卵子を作ります

そして、この子供達を交配させた場合の子供はどうなるでしょうか?

その組み合わせから考えられるのは「RR」「Rr」「rr」となります

ここで、「rr」という遺伝子型を持つ子供が誕生します

毛色がレッドの優先遺伝子によって、その働きが迎えられていましたが、ここに毛色がアプリコットの子供が生まれてきます

このように、最初の世代では現れなかった特徴が、次の世代で現れることを「分離の法則」と呼びます

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ブリーディング・その9=メンデルの遺伝法則・第一法則

今日から、遺伝の本題でもあります「メンデルの遺伝法則」を3回に分けて説明をしていきます

メンデルの法則には第一法則、第二法則、第三法則があります

第一の法則は優劣の法則と呼ばれ、第二は分離の法則、第三は独立の法則と言われています

今日は、第一の法則である優劣の法則のお話をさせていただきます

優劣(ゆうれつ)の法則

ある特徴に影響する遺伝子を遺伝子型という表現をします

ここで、わかりやすくするために、トイプードルの毛色を例にとって、話を進めていきますが、あくまでもわかりやすくするための仮定の話です
アプリコットの毛色をもつ遺伝子が劣勢型というわけではありません

「R」という毛色が「レッド」になる遺伝子、「r」という毛色が「アプリコット」になる遺伝子があった場合、牡と牝からからひとつずつ受け継ぐので、その子は「RR」、「Rr」、「rR」、「rr」といった四つの遺伝子型が考えられます

実際の繁殖に当てはめてみましょう

「RR」という遺伝子型を持ったレッドの牡と、「rr」という遺伝子型を持ったアプリコットの牝を交配させたとします

このトイプードルの精子「R」と卵子「rr」が受精すると「Rr」という遺伝子型を持った子供がが誕生します

「R」=レッドという遺伝子と「r」=アプリコット、この毛色が違う遺伝子を二つ受けた子供の毛色はどうなるでしょうか?

もし「R」の遺伝子が優性遺伝子であれば、子供の毛色はレッドになります

そして、もうひとつの「r」は遺伝子として受け継がれていても、優性遺伝子「R」によって、その遺伝子情報は抑えられてしまいます

この「r」の遺伝子を劣性遺伝子と呼び、現象を「劣性の法則」といいます

言葉では、優性・劣性と呼ばれるので、劣性遺伝子が優性遺伝子より劣っている遺伝子のようにとられそうですが、決してそのような意味ではありません

通常、優性遺伝子は英字大文字で、劣性遺伝子は英字小文字で表されます

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ブリーディング・その8=遺伝の定義

適切な繁殖をする方法を選択する際に、避けて通れないのが遺伝の話です

今日は、遺伝を語る上で必ずや耳にする「メンデルの遺伝法則」について、数回に分けて説明をしていきます

まず、遺伝の定義から・・・

遺伝とは、ある生物の形や性質(形質と呼びます)を親から子に受け継ぐことです

生物は遺伝子を親から子に受け渡すことで、その形質を子孫に伝えていくことが出来ます

多くの生物は牡と牝が、それぞれの半分の染色体を卵と精子に渡し、その互いの遺伝子を半分ずつ受け継いだ子孫が生まれます

 

次回は、本題の「メンデルの遺伝法則」の話をさせていただきます

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ブリーディング・その7=繁殖方法

今日は、前回までに説明をさせていただきましたブリード(繁殖)方法を、どのように利用していくかを、具体的な例で説明をさせていただきます

1)優秀な母犬のライン(系統)を強化させることを目的とする繁殖方法

繁殖させる牝犬(繁殖基礎犬)(1-D)の母犬(2-D)とライン(系統)が同じ牡犬と交配する方法

2)優秀なライン(系統)を強化させることを目的とする繁殖方法

繁殖させる牝犬(繁殖基礎犬)(1-D)と優秀な兄弟犬、姉妹犬をインブリード、または、ラインブリードする方法

3)今あるライン(系統)を活用し、活性化させることを目的とする繁殖方法

ドッグショーなどでの評価が高い優秀犬をインブリード、または、ラインブリード、アウトクロスブリード、アウトブリードを行う方法

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ブリーディング・その6=アウトブリード

今回は、アウトブリードについて説明をさせていただきます

系統間・外交配法または系統外繁殖法と言われており、厳密にはいます アウトクロスブリード(系統間交配法) とアウトブリード(系統外交配法)の2種類があります

アウトクロスブリードとは、系統が異なる犬同士の交配法(血統証明書の第5世代までに、父犬、母犬共に、同一犬がいない場合)

アウトブリードとは、血統証明書の中に、インブリードかラインブリード、または、その両方が含んでいるが、相方の親に全く血縁関係のない場合を指します

インブリードの血統に、異なる血統を入れて近親の不良形態を解消するには有効な手段と考えられています

このように、 多くの場合は、体質向上や病気に対する耐性などを強化する目的で行われますが、生まれてくる子の質とタイプにバラツキが出てしまいます

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