ブリーディング・その54=遺伝性疾患:甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、体を構成する細胞や骨、筋肉、内臓、皮膚などの代謝、働きを促進する役割をもつ甲状腺ホルモンの分泌量が減少することで起こる病気です

発症すると、毛が薄くなる、皮膚が黒ずんでくるなどの症状の他に、急に元気がなくなったり、寒がる、体重が増える等の様々な症状が起こります

トイ・プードルのような小型犬ではあまり見られませんが、プードルなどの中・大型犬には多く見られます

甲状腺機能低下症は、おもに免疫介在性のリンパ球性甲状腺炎と、特発性甲状腺萎縮によって引き起こされ、これらの病気の一部は、遺伝的要因の関与が考えられていますが、明らかにはなっていません

甲状腺機能低下症の治療は、正確に診断ができていれば、甲状腺ホルモン剤の投与によって、驚くほど回復をします

ただし、生涯投薬は続けなくてはなりません

この病気は遺伝性と考えられているため、効果的な予防策はありません

したがって、何よりも重要なのは、早期発見・早期治療を心がけることが大切です