ブリーディング・その17=遺伝性疾患:テンカン

てんかんは、脳を形成している神経細胞(ニューロン)に異常が起きて発症する脳の病気です 脳の障害(脳腫瘍、水頭症、脳炎など)によって痙攣を起こす「症候性てんかん」と検査をしても何ら構造的な異常を認められない「特発性てんかん」とありますが、ここでは遺伝的な要素が関係しているといわれ、原因が定かでない「特発性てんかん」のみ説明をいたします

てんかんの発作は、よだれを流したり、落ち着きがなくなったりと、良く観察しているとその行動に前兆が見られ、その後、痙攣をともなった発作を起こします

発作は、数秒で終わることもあれば、数分間続くこともあります 10分以上にわたって発作が継続する場合や発作が治まる前に再び痙攣を繰り返すような場合(重責発作)は、脳などに深刻な障害を与え、時には命に関わるような場合もあります いずれの場合も、速やかに獣医師の診察を受け、今後の治療方法を決める必要があります

通常、「特発性てんかん」の場合には、抗てんかん薬を用いて治療を行います。 また、重責発作を起こしている場合は、痙攣を止めるための緊急治療が必要となりますので、発作の状況とあわせて詳細を獣医師に伝えることが大切となります

特発性てんかんの明確な予防方法はありませんので、発作を起こした犬は繁殖させないようにすることが唯一の予防法となります なお、症候性てんかんは、定期的な健康診断を受けるようにして、予防や早期発見に努めるようにしてください